コロンビアで国際結婚

「コロンビアで国際結婚するにはどうすればいいの?」
こんな疑問って多いと思います。
日本で結婚の手続きをしてからコロンビアへ旅立っているカップルの話は
いっぱいあるけれど、コロンビアで直接手続きする情報は全然ない…
おそらく95%以上は、「日本で最初に手続き」するパターンです。
私自身、最初は日本で手続きをしてコロンビアへ行こうと思っていました。
しかし、なぜコロンビアで手続きをすることにしたのか?
どのような手続きで結婚して、現在コロンビアに住むことができているのか?
詳しく書いていきたいと思います!
プロローグ
2015年、当時勤めていた建設会社で、南米プロジェクトのメンバーとしてコロンビアに駐在することになりました。
駐在生活が始まってから1週間後、首都ボゴタのクリニック健康診断を受けたのですが、そこで奥さん(お医者さん)と出会いました。
3年ほど付き合った間に、日本へ帰任したり、その後転職して、最終的に結婚を決めた時は日本とコロンビアで遠距離恋愛の状態でした。
ところで、なぜコロンビアに行こうと思ったのかというと、
1.「奥さんは医師としての仕事を続けたい思いがあり、仮に日本で医師になるには、日本語で国家試験を受けなければならない。日本語は一から勉強する必要があり、医師国家試験に受かるだけで一生かかる可能性がある」
2.「私はビジネスパーソンで、スペイン語も仕事レベルで使用することができる。仕事するにしても生きていくにしても、コロンビアに移住しても特に問題がない」
という単純な理由です。
理由が決まれば、あとは簡単でした。
私は日本での仕事を辞め、コロンビアへの移住と結婚に向けての準備を始めました。
まずは、市役所に電話。
市:「婚姻手続きをするならまず、必要書類を揃えて、コロンビアの女性と一緒にお越しください」
必要書類もややこしいし、何より奥さんを連れてくるなんて、今から日本に呼び寄せるための短期滞在ビザを手続きしたら最低1ヶ月半ほどかかるぞ…。
「もう、コロンビアで手続きしたほうが楽だろう!」
こうして、こちらからコロンビアに出向いてやろう!と決心したのでした。
出発の前に…
コロンビアでの結婚手続きに必要な書類を調べるうえで、
「Cancillería de Colombia」(日本でいう外務省)HPが参考になります。
結婚手続き書類と、VISA申請に必要な書類はほとんど似ています。
配偶者VISAの申請と取得方法はこちらを見てください!!
「コロンビアへ移住!コロンビアの配偶者VISA申請方法は?」
その中では、下記必要書類を挙げています。
- Certificado de Nacimiento (出生証明書)
- Certificado de Soltería (独身証明書)
上記書類に対応する日本の書類は以下の通りです。
- 戸籍全部事項証明書 (いわゆる戸籍謄本) 3部
- 婚姻要件具備証明書 (法務局発行) 1部
- 独身証明書 (地方自治体発行) 1部
戸籍と独身証明書は市区町村で簡単に取得できます。
ただ、注意点があります。
戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)でないといけません。
戸籍個人事項証明書(戸籍抄本)はダメです。
※コロンビア外務省と移民局(Migracion)に電話で確認しました
「婚姻要件具備証明書」だけ取るのがめんどくさいです。
最寄りの法務局で係官と一緒に申請書を作るのですが、コロンビアは対応実績がない国だったのか、結構時間かかりました。
特に、スペイン語圏の人名は
「(名前1) (名前2) (お父さん苗字) (お母さん苗字)」
なので、あらかじめ名前の構成を係官に伝えたほうが良いです。
法務局は基本的に、外国人の名前のカタカナ表記を激推してきます。
ゴリ押しすればアルファベットでも作成してくれるようですが、
法:「万が一間違っていたら私、責任が取れないので…」だそうです。
婚姻要件具備証明書は、申請日の翌日の開庁日に受け取れます。
※在コロンビア日本大使館でも取得可能です。大使館での取得も検討してもいいかもしれません。
↓↓こんな感じです!
全部書類が整ったら、「アポスティーユ」を取りに行きます。
東京なら霞が関の外務省、大阪なら谷町四丁目の大阪分室に行って、手続きします。
戸籍謄本と婚姻要件具備証明書にアポスティーユを付けます。
こちらも申請日の翌日から受け取り可能です。
↓↓アポスティーユ済の婚姻要件具備証明書です(参考までに)
コロンビアへ出発!
日本で結構バタバタしていたので、直前に航空券を買いましたが、
気を付けなくてはいけないのが、
「往復の航空券を買うこと!!」
これ忘れると、コロンビアに入国できません。
最初は、観光目的で入国するからです。
……ワタクシ、羽田空港着くまでコロンビアの片道切符しか買ってませんでした。
ANAの親切な職員さんが教えてくれました。
「Keiさん、このままだとコロンビアで止められる可能性があります!」
えええ、マジか!
慌てて空港で復路航空券を購入したのでした。
実際にコロンビアの入国審査のとき聞いてみました。
「たぶん、止めるよね。観光で来て、帰りの航空券ないなんて怪しすぎでしょ?」
とのことでした。ありがとう、ANAさん。
格安航空券だったので、経由がフランクフルトで寝ぼけてパスポートを紛失しかけて焦ったり、フランクフルトからボゴタへのフライトで横のコロンビア人カバジェロのマシンガントークにより10時間寝られなかったり…
いろいろありましたが、なんとかコロンビア入国できたのでした。
結婚準備 i n コロンビア
コロンビアに着いてから、しかるべき形でもう一度プロポーズしました。
無事OKもらって、ご両親にも挨拶して了承いただきました。
最近はそうでもないようですが、一昔前はコロンビアでもご両親に許可もらうのは当たり前だったとか。
滞在期間が観光ビザMAXの3ヶ月しかないので、公証役場(Notaria)で最初に結婚することにしました。
公証役場で法的に結婚しないと、配偶者ビザに必要な書類が手に入らないからです。
日本で結婚する場合では、婚姻届を出せば終了ですが、
コロンビアでは、公証人の前で結婚宣誓をしないと婚姻が成立しません。
コロンビアで結婚するために、日本人とコロンビア人が必要な書類を以下にまとめてみました。
【日本人の必要書類】
- 戸籍事項全部証明書(アポスティーユ済+翻訳文)
- 婚姻要件具備証明書(アポスティーユ済+翻訳文)
- パスポートのコピー
【コロンビア人の必要書類】
- Registro de Nacimiento (+Autenticación)
- Cédula de Ciudadaniaのコピー (+Autenticación)
日本人の必要書類は、スペイン語の翻訳文添付が必要です。(※パスポートは不要)
コロンビアでは「公認通訳・翻訳士」のプロに翻訳をお願いしなくてはいけません。(翻訳士さんへの依頼メール例はこちら)
私はコロンビアに駐在&大学院に入学するとき、学位転換の翻訳でお世話になった公認翻訳士さんにお願いしました。
合計4枚で、280,000 COP = 8,960円くらいです。
知り合いの弁護士に翻訳文のチェックをしてもらって、完了!
ボゴタには、Notariaがいたるところにあります。
最寄りのNotariaに突撃しましょう。私は「Notaria 69」に行きました。
Notariaでは弁護士たちが待ち構えています。
基本的にスペイン語で話されるので、不安な方は英語のできる公証人に対応してもらいましょう。
「結婚に関する申請書」を渡されるので、それに必要事項を記入します。
↓↓下記フォーマットに実際の申請書があります
申請書と結婚に必要な書類を公証人がチェックしていきます。
日本人との結婚事例があまりないため、特に戸籍謄本の見方は質問してきます。
「出生証明書とファミリーヒストリーが一緒になったのが戸籍謄本だ!」
と言えばよいかと思います。
この時私たちは、奥さんのIDカードにAutenticacionを付けるのを忘れていたため、追加の認証手数料 5,000 COP = 140円を支払いました。
全ての書類が問題なければ、結婚宣誓(結婚式)の日にちを決めます。
結婚式の予定は結構埋まっていますので、早めの日付で予約したほうが良いです。私が行ったときは最短で2週間後でした。
結婚式の日取りを決めると、コロンビアの法律に基づいて、
「結婚宣告」なる文書が公証役場の掲示板に貼り出され、全世界がこの個人情報ダダ漏れ公告を閲覧することができます。
この結婚に異議や不服がある者は、指定の公証役場で異議申し立てができます。
いよいよ結婚!
2週間後ふたたびNotariaを訪れます。
この日は超暴風雨で天気大荒れ。ボゴタの天気予報は全くアテになりません。
Notariaには結婚宣誓を行うスペースがあります。
参列者の席も用意されていますので、たくさんの家族・友人を呼んでもOKです。
私はこの後に教会での式があったので奥さんの家族だけ呼びました。
ただ、コロンビア国籍の保証人を2名呼ばなければなりません。
公証人が現れ、突然に結婚式が開幕。
日本人でNotariaでの結婚をする人がほぼいないため、
公証人が興味本位でいろいろ聞いてきます。
質問を以下にまとめてみました。
- 誰かに強制されたりして義務的に結婚するのか?
- 成人たるあなたの自由意思に基づいて結婚するのか?
- 奥さんを愛しているか?/生涯愛する確固たる自信はあるか?
- 何年前に、どこで知り合った?
- どうして結婚しようと思った?
- コロンビアで暮らすのか?日本で暮らすのか?
- なぜ先進国の日本でなく、コロンビアで暮らそうと考えたのか?
- コロンビアのどこで暮らすのか?家はあるのか?
- 日本では何の仕事をしていたのか?
- コロンビアでは何の仕事をしている or するつもりか?
- 日本の家族はこの結婚について何と言っているのか?
- あなたの思う結婚とは何か?
- コロンビア共和国民法第180条に規定されている “Sociedad Conyugal”についてどう考えるか?
- そもそも“Sociedad Conyugal”についてどういう理解をしているか?
1,2の質問は間違えるとアウトです。これは絶対聞かれます!
コロンビアの法律についての質問は、私のスペイン語能力を試されたのだと思っています。
わからなければ正直に、わかりません、と言いましょう。
式自体は法に基づいて粛々と行われます。
公証人がコロンビア共和国民法の結婚に関する部分を読み上げていきます。
コロンビアの法律では、公証役場での結婚式について詳細に規定されています。
公証人の指示に従って、新郎・新婦・保証人は台本を読み上げていきます。
結婚指輪を準備している場合は、指輪交換のための台本まで用意してくれます。
結婚式は、大体こんな雰囲気で進んでいきます。
台本の内容は以下にアップしておきますね。
私たちの結婚式では、Carlosさん = 公証人が日本人の慣習や文化をネタにしながら全員の緊張をほぐしつつ、終始楽しく進行してくれました。
例えば、
奥さんとはハグ、私には日本風のお辞儀で対応して笑いを誘ったり、
夫婦のパートナーシップについて、「日本のように亭主が威張ってたらいかん!」とか、日本人とラテンアメリカ人の国際ジョークを飛ばしたり…。何年前の日本文化観なんですか、と式の後、カルロスのオヤジに突っ込んでしまいました。
各結婚式は公証人のキャラクターにより、式の雰囲気が変わっていくようですね。
結婚したコロンビアの友人たちに確認しましたが、
「最後は役所の職員も一緒になって祝ってくれて、超楽しかった!」
「いや、THE・お役所手続き。もうやりたくない(!?)」
と反応はまちまちでした。
無事に結婚式が終わると、
「Registro Civil de Matrimonio」が発行されます。
これは結婚を証明する正式な書類なので、大切に保管してください。
配偶者VISA申請にも必要になる書類です。
公証役場での結婚式の料金
結婚式までの費用を算出すると、おおむね以下のようになります。
合計で14,970円ほどでした。
ただ、この金額は為替レートによって変動しますので、あくまでも目安です。
日本で手続きしたほうが安く済むようですが、公証役場での結婚式など良い経験でした。
しかし、コロンビアの物価を考えるとこの金額は高いです。
他にももしかしたら不意の手続きや出費があるかもしれませんので、
費用は大目に見積もっておいたほうが良いと思います。
日本での手続きも役所での届け出や翻訳の問題など多いようです。
どうしても異なる国での手続きなので、多少の手間はかかりますが、
私はコロンビアでの手続きのほうがストレスがないのかなと感じています。
コロンビア人と結婚式を挙げたい!と手続きに困っている方の参考になればうれしいです!!
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